2008年06月13日
PARISのタニウツギ
娘と二人、京都に出掛けた。
運転は娘が引き受けてくれたので、私は、窓外の景色を十分、愉しむことが出来た。
高速道路の沿線には、かのヒロシマにいち早く花開いたといわれる夾竹桃が、
その強靭な生命力を思わせて咲いていた。
山には、大柄で妖艶な女を連想させるホウの花が咲き、田舎娘を思わせるタニウツギの花が咲いていた。
視野に飛び込んでは消え去るそれらの花に喚起されて、私は巴里の旅を思い出していた。
それは、娘と孫娘を伴った十二年前の旅である。
■中国の古い陶片の切り取られた絵柄を見て、たとえば割れる前の壷を想像する。
今は小箱として蘇った燕。、一羽であったのか、何に向かって飛んでいたのか・・・・

右岸のマルシェで買い物をした後、吸い寄せられるように近づいたのは小さな公園であった。
強い磁力で私を吸い寄せたのは、タ二ウツギの花であった。
飛騨では六月に咲くタニウツギが四月のパリに咲いていた。
飛騨では野に咲くタニウツギが、巴里では公園に咲いていた。
飛騨では、ダニ花などと厭われている花が、パリでは珍重され、緩やかに枝を伸ばし、
王女のような風格を湛えて咲いていた。
「同じ花なのに、何故、こんなに素敵なのだろう」私は、素朴な疑問をいだいた。
そして、結論付けた。
「パリのタニウツギだから素敵なのだ」・・・・と。
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Posted by 宣 at 17:33│Comments(0)
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