2008年09月01日

カイトウさんとサイトウさん

民芸品や工芸品を扱う私の店では、ここ五年ばかり、面白いものや個性的なものなど、
生活空間を楽しく彩る商品が余り売れなくなっている。
廉価なものであればよしとする潤いのない暮らしが蔓延しているのだろうか。

それでも、月に一、二度ではあるが、個性的なものを求めてご来店になるお客様がある。
今日は、そんな日であった。

先ず、最初にカイトウさんがご来店になり、
「ミティーラ」と呼ばれる絵を買って下さった。

それは、ここ五年ばかり、誰にも注目されない商品であった。
ネパ‐ル南部から北印度の国境付近にかけて住むマイタリー族のアートであり、
巨匠ピカソの絵にも似て伸びやかで楽しげなもので、手漉き紙に描かれている。

次にご来店下さったのは、サイトウさんである。

サイトウさんは、アフリカの泥染め布のコピーと、キャメルランプを買って下さった。
コピーではあるが、黒と白の幾何学模様のこの布に注目されるのは、かなりのセンスの持ち主である。
また、キャメルランプは、駱駝の内臓の皮膜から作られたものである。これも、久々に売れた商品であった。

■ペルーのFinger dollはひとつひとつ手編みで作られたもの。
 男に女、牧師、リャマやコンドルもいるが、ライオンやこうもりもいて、両手足の20の指にはめてもまだまだ足りないようだ。


カイトウさんとサイトウさん




 自分がよしとして仕入れたものが売れた日は、
世の中が、少し良い方向に向かっているような嬉しい気分になるのである。

その後にご来店になったペアのお客様も、石鉢と五徳を買って下さり、今日は、最後まで気分の良い日であった。
げんかつぎではないが、最初のお客様で、
その日に売れる商品の方向性のようなものが決まるような気がするのである。

カイトウさんとサイトウさんのお蔭か、
今日は、久々に良いものが売れた日であった。
こだわって生きることの大切さを、お客様に教えて頂いた楽しい日でもあった。







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Posted by 宣 at 20:21│Comments(0)
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